5月14日
昨日に引き続き、ふかふかのベッドと布団でぐっすりと眠ることができた。
だが正直、体の疲労感は強めであり、この旅を初めて1ヵ月半で休みを1日しか取っていないことによる疲労の蓄積であろうか。
しかし今日も出雲大社へと参拝しに行こうと思う。
今日からの3日間が大祭礼なので、とても良いタイミングで出雲に来ることができたと思う。
体の疲労なども考慮した末、今日もこちらの宿にて泊まることにした。
そうすると昨日と同様、テントなどの大きな荷物は宿へ置いていくことができ、身軽な状態で1日過ごせるので大変助かる。
歯磨きなどを済ませ、身支度をして早速出発する。空気が冷たく朝は冷え込んでいるが、天気は晴れているのが幸いだ。


大国主(オオナムチ)の神話のワンシーンの説明と、それを表した小さな象がオブジェとして置いてある。さすが出雲である。

日中こそ暖かいが、朝晩は1桁台まで気温が下がるので、やはり宿での宿泊にしておいて良かった。テント泊で朝の気温が7度だと、かなり辛い状況である。

鴨さん達も朝から元気である。
天気が良いとやはり朝から気持ちが良い。

マンホールに描かれた龍。これもさすが出雲と言った感じである。

30分ほど歩いてトライアルに到着。24時間営業なので早朝でも開いているのは有り難い。早速朝食を購入。

朝食を購入後、ご飯を食べられそうな場所をGoogle マップで探してみるが見当たらないので、他の人や車の邪魔にならなそうな場所を探し、地べたに座ってご飯を食べる。
何故かよくわからないが、ヨーグルトとバナナと梅干しが食べたい気分となり、購入。
お気に入りの厚揚げも一緒に購入し、こちらも美味しくいただいた。
そうしてエネルギーをしっかりチャージしてから出雲大社へ向かおうとするが、歩くとここから1時間半ほどである。
出雲大社までの道のりは、おそらく昨日とほとんど変わらないものであり、その道のりを再び歩くことを考えると少し億劫な気分になってしまった。
なので、公共交通機関のバス等で行ける方法がないかと検索してみると、ここから遠くないバス停から出雲大社までのバスがあるのを発見し、そちらを利用することとした。
今日は少し楽をさせていただく。

そうして再び、出雲大社の入り口までやってきた。
見ると何やら、「骨董市」と書いた旗が立っている。

鳥居の右横の広場にて、沢山の方々が骨董品などを販売するフリーマーケットをしていた。
軽く見て回ると、陶器や着物や茶道具など色々な味のある品物が並んでおり、好きな人にはたまらない骨董市のようだ。

一通りお店を見て回ってから、鳥居より参道に入る。
本当に良い天気で気持ちが良い。


昨日同様、本殿の周りを囲む柵に沿い、各所で参拝をしながらぐるりと歩いて行く。

見ると、本殿の北に位置する素鵞社(そがのやしろ)にて、何やら砂を持った人たちが歩いている。
一体何をしているのかと思い、そのうちの誰かに話を聞こうかと思っていたら、前にいたカップルの話しが聞こえた。
聞いていると、出雲大社の西にある砂浜から砂を持ってきて、正しい方法にて参拝をした後、この素鵞社にて砂を納め、代わりに素鵞社に置いてある砂を持って帰るとご利益があるとの事であった。
とても興味深いものである。自分は素鵞社にて参拝だけをさせていただいた。
そうして一通りぐるりと回り拝殿まで戻ってきたタイミングで、神職の方たちが列になり歩いているのを見ることができた。


勝手に写真を撮ってしまったが、何やら厳かな雰囲気を醸し出しており、一傍観者として見物させていただいた。
そうして神職の方々が拝殿へと入っていくのを見届け、自分は参道の方へと向かった。

人がぞろぞろと集まっており、自分もそのぞろぞろの1人となり、見物させていただく。
これから神職の方が的に向かって矢を放ち、参道を払い清めるとのことである。

こちらもまた厳かな雰囲気の中、神職の方が登場。

弓矢を準備し、構える。
テレビクルーも来てその様子を撮影をしているようである。

たくさんの方々がスマホを向けている。
もちろん自分もその1人である。
そうして構えらえた矢が放たれ的に当たった後、神職の方が戻られるのを見守ってから神楽殿の方へと足を運び参拝した。

神楽殿の前では神楽が披露されており、先日に引き続きこちらでも神楽を観ることができた。
やはり笛や太鼓、かね(手打鉦)の音が大変心地よく感じる。これは日本人だからであろうか。


楽器のリズムや音色などを堪能しながら、一通り神楽を見させていただいた。

神楽殿のしめ縄。やはり何度見ても迫力がある。

屋根の部分を見ていると、ハートマークがあるのを発見した。
この形は偶然なのだろうか、意図的に作られたものなのであろうか。

そうして拝殿の方へと戻ってくると、再び神職の方々が列になって歩かれていた。
今度は本殿の方へと入って行かれた。厳かな雰囲気となる。


そうして再び静寂な時が流れる。

改めて拝殿にて参拝をさせていただく。


よく見ると、こちらの屋根にもハートマークがあるではないか。
縁起が良さそうである。

神様へのお供え物であろうか、緑の布で覆われたものを担ぎながら神職の方たちが粛々と本殿へと運んで行く。
そしてこれにて本日の儀は終了したようである。
何故かはわからないが、この時点でどっと疲労感を感じてしまったので、本日は早めに宿に戻って身体を休ませることにした。

手を合わせているうさぎさん達が可愛い。
そうして出雲大社を出た後、お土産屋さんにてパートナーや家族に送るお土産を購入し、郵便局にて発送した。

明日また出雲大社へと戻って来て参拝をするので、今日は電車を利用して数駅分楽をさせて貰うことにした。

出雲大社駅からの券を購入。

駅の隣の雑貨屋さんなどを少し見て周り、その後は駅のベンチに座って20分弱ほど休んでいると、電車が到着。早速乗り込む。
木のぬくもりを感じられるような車内であった。
電車が発車するとすぐに抱えたリュックに頭をもたれて寝てしまった。相当疲れていたのであろう。


気づくと降りる予定の高浜駅に到着する直前であり、何とかセーフであった。
駅に着くと電車を降り、電車を見送った後ここから中心街まで歩くこととした。
この数駅分を電車で移動したことにより、体力をセーブできたのはありがたかった。

そうしてゆめタウンまで歩き、食材を購入。

ご飯を食べられそうな場所を探して歩いていると、良さげな公園を発見。
ベンチとテーブルのある東屋があり、見ると女子高生らしき人が2人いたが、ちょうど帰るところであり空いたのでラッキーであった。

そうして今晩の食事を楽しむ。
出雲なので出雲そばを買い、本来は茹でるものであるがそのまま食べた。
茹でていないのでボソボソ感は否めないが、味はしっかりとしており、美味しい。
カンパチのアラがこれまた絶品であった。
脂が乗りに乗っており、口の中でとろける。
本来は加熱用であるので、生で食べるのはもちろんお勧めしないがとりあえず今のところ生魚によると思われる食あたりは起こっていないので気にしない。
ゆで卵&ネギダレも、なかなかパンチの効いた味で食欲をがつんと刺激するものであった。
生湯葉入り絹豆腐も、なめらかな絹豆腐の中に生湯葉がしっかりと入っておりまた風味も良く、なかなかな逸品であった。
そうして美味しいご飯を食べ終わる。
だが満腹感に包まれてはいるが、何故かいきなり虚無感というか、何もしたくないような気持ちとなってしまった。
身体が疲れているので宿に戻って休むのが良いと分かっていながらも、動く気になれない。
今までずっと歩き続けてきた疲労の蓄積もあるかと思うが、目的地として目指していた出雲大社に辿り着き、大祭礼を見る事も出来た達成感と言うか満足感で若干燃え尽き症候群にでもなってしまったのであろうか。
急に何もする気がおきなくなってしまい、その東屋で1時間弱ほど動けないでいた。
このまま夜まで動けないのであろうか。
などと思っていると、九州の球磨川沿いで出会ったHさんから電話がかかって来たではないか!
電話に出てみると、「最近どうしてますか?」と気になって電話をしてくれたとの事であった。
このタイミングで電話を貰えた事で、嬉しさが倍増である。
そうして秋芳洞に行く時にHさんから電話を貰った後からここまでの自分の訪問地や、楽しかった事や辛かった事などを話した後で、Hさんの近況や最近始めたことなどを聞かせていただいた。
Hさんは自分の話しをとても興味深そうに聞いてくれ、また自分もHさんの話しを聞くのが楽しく、時間にして15分ほどの会話であったがとても元気付けられた。
電話の後、動く気力が戻って来たのを感じ、宿へと歩く事とした。
前回の山口県にてHさんから電話をもらった時もそうだが、本当にありがたいタイミングで電話をかけて貰えて感謝しかない。
そうして嬉しい気持ちのまま歩いて行くとドンキホーテがあったので(写真を撮り忘れてしまった)、下着とズボンを購入した。
これで洗濯のサイクルを少し長めにすることができる。
今回の旅の前に、歩き旅ということで出来るだけ荷物を軽量化しようと思い、北海道は旭川にあるドンキホーテで薄くて軽い下着・シャツ・ズボンなどを購入したが、沢山は買わなかったので洗濯のサイクルが早めであり、もう少しサイクルを長めにしたいと思っていたところであった。
良いタイミングでドンキホーテに出会えた。

こちらの道、歩行者用と自転車用途で歩道が分けられており、どちらも幅が広くとられているのでとてもわかりやすく安全な道になっている。
そんなこんなで先程のHさんとの会話の余韻で嬉しい気持ちのまま宿まで歩いてきた。
今日は早めにベットに入ろうと思い、シャワーを浴びてベッドに横たわる。
ゆめタウンで購入した梅酒梅をなんとなく食べたい気分になったので、1つ食べると美味しすぎてもう一つ、もう一つ、と食べ進めてしまい、気づいた時には1袋全部食べてしまっていた。
すると間もなく酔いが回ってきてしまい、自分はアルコールにものすごく弱いため、すぐに心臓がバクバクし顔も真っ赤になって来て、全く動けなくなってしまった。
そのまましばらく顔がパンパンで脈拍の早い状態に身をまかせながら横になっていると、眠りに落ちてしまった。
