歩き1人旅

歩き旅〜中国地方編〜 5/9

5月9日

5時台に目が覚めてテントから出てみると、気持ち良いくらいの晴天で空気もきれいな最高の朝であった。
早速テントを撤収し、清々しい朝日を浴びながら朝ご飯を食べる。

相変わらず自分は落花生やナッツなどが大好きである。
パプリカはよく見ると北海道の釧路産である。
パプリカの産地であった事は知らなかったが、釧路と言えばたまにしか行けないがフィッシャーマンズワーフで食べる「さんまんま」が美味しいんだよな~と感慨にふける。
秋刀魚のかば焼きの押し寿司、と言ったところであろうか。
香ばしく焼かれた脂の乗った秋刀魚、タレの染み込んだしっとりもちもちなお米、そしてその間にいる大葉が秋刀魚の脂くどさやお米&タレの甘々攻撃を緩和してくれる。これは絶品である。

などと想いながら、エネルギーをしっかりとチャージし、元気いっぱい出発する。

商店街を通っていると、ロボットがお店を覗いている楽しい光景が目に入った。
こういう遊び心が、生活に潤いを与えるというか心に余裕を与えるので、大事なんだな~と感じる。

この辺りの地域は神楽が有名なのであろう。消火栓にも描かれている。

バス停のベンチ。使う時だけ倒して座るパターンはスペースの有効活用にもなり、画期的なアイディアだと感じた。

中国地方に入ってから初めて見たのではないだろうか、ヤマザキショップがあった。
看板を見るとお弁当やおにぎりが店内で作られているようで、凄まじい経営努力である。

鴨さんが優雅に泳いでいるのを眺めながら橋を渡り、

高架橋の下を通り、神社へと向かう。

早速、参拝させていただくこととした。

推定樹齢500年を超えるイチョウの木。これまでこちらの神社を参拝されてきた沢山の人々の世代の移り変わりを見守ってきたのであろう。

こちらもなんと推定樹齢400年を超えるムクノキ。圧巻である。
そうして参拝後にしばらく立派な木々を眺めさせていただき、再び出発。

お天道様のもと、気持ちよく歩いて行く。
2日間お風呂に入っていないので今日こそは何処かでしっかりと体を洗いたいと思い、マップで調べてみるとそう遠くないところに日帰り入浴可能な国民宿舎があった。
なので、今日は日中であるがそこで入浴を済ませてから再び歩くこととした。

Googleマップに従い、狭めな小道を歩いて行くと、

目的地に到着。ようやく3日ぶりのお風呂に入れる。嬉しさで胸がいっぱいになる。

宿舎のすぐ裏がビーチになっており絶景である。

遠くの方をよく見てみると、若い人たちが何人かサーフィンをしていた。
心に残る素晴らしい風景だ。

そうして少しの間、心地よい風を感じながらビーチを眺めていると。後ろから声をかけられた。
見てみると、60代くらいと思われる男性が「旅をしているのかい」と聞いてくれた。
その方はもう定年退職をし、実家で農園をやっているとのことであった。
自分が「鹿児島から歩いて旅をしています」というと、その男性が以前この浜辺で手漕ぎボートから降りてきた大学生に出会った時の事を話してくれた。
その大学生は手漕ぎボートで日本を旅していた、とのことであった。
本当にいろんな人がいるものである。と同時に、人生は「好きな事をやったもん勝ち」と言えば言葉が悪いかもしれないが、自分の好きなようにやっていけばいいんだなぁと改めて感じた。

そうやってその男性と話しをしていると、今夜どこへ泊まるのかと聞かれた。
特にまだ決めていないと言うと、「知り合いに旅館組合の者がいるのでその方の電話番号を教える」と言ってくれた。
そうして男性はちょっと待ってと言うと、携帯電話からその知り合いの方の電話番号を出し、教えてくれた。
その心遣いが大変ありがたい。電話番号を控え、その男性にしっかりとお礼を伝えた後、お風呂に行く旨を伝え、国民宿舎へと足を運んだ。

国民宿舎の受付で入浴料(550円)を支払い、エレベーターで上がる。
廊下の窓から見る景色がやはり素晴らしい。天気が良いのもあり、本当に気持ちが良い

そうしてお風呂場に行き、まずはしっかりと体を洗い、そして窓から絶景を見ながらしばし入浴&リラックスタイム。
お昼から大浴場での入浴と言う贅沢をし、とても気持ちの良い時間を過ごした。
お風呂から上がり着替えていると、短髪で日焼けをされた精悍な顔つきのこれまた60代ぐらいの男性から声をかけられた。
自分がスパッツのようなものを履いているからか、「自転車に乗っているのかい?」と言われたので、自転車に乗る人なのかと思い「鹿児島から歩いて旅をしています」と言うと、とても驚いた顔をして「自分も鹿児島には何度も行ったなぁ。長崎の辺りも何度も行ったよ。」とその方の話をしてくれた。
聞くと元自衛隊の方らしく、勤務でいろいろなところを船で周っていた際に九州にも何度も行かれたとの事であった。
そうしてその方のお話しをしばし聞かせて貰った後で、「歩き旅頑張ってね」とのお言葉をいただいた。
こうした方々との交流は、色々と興味深い人生体験などを聞け、また心も温まるものなので本当に貴重である。

そうして幸せな気持ちのまま再び出発。雲が全然なく本当に気持ちのいい天気である。
途中、世界遺産である石見銀山の看板。車だとそれほどでもないが、あと45キロは徒歩にすればなかなかな距離である。

そうして歩いて行くと何やらアーティスティックな橋が現れた。こういった橋にも、遊び心というか芸術性が込められているのはとても興味深い。

そうして歩きながら今晩どこで寝るかを考えた時に、先ほど浜辺で男性からいただいた電話番号を思い出した。そこでその知り合いの方に電話をかけてみる。
先ほどの男性の名前を伝えて事情を説明し、歩き旅をしている旨を伝えると、おすすめの宿をおしえてくれて電話番号を教えてくれた。
晩ご飯は今電話して宿泊予約を入れれば用意してもらえるとの事であった。
お礼を伝え、電話を切った後その宿までの距離を調べてみる。すると、ここから28キロほど先にある温泉街にあるではないか。普通にあるいても6時間半ほどはかかりそうで、休憩なしで速いペースで歩いても晩ご飯の時間まではギリギリ間に合うか間に合わないか、と言った時間であった。

ちょっと悩んだが、とりあえず早めのペースで少し歩いてみてから宿に電話を掛けるかどうかを決める事とした。

右手に大きな建物が見えたので、よく見てみると「アクアス」と書いてある海洋館であった。
パッと見水族館だとわからなかったが、かなり大きな建物なので多種多様な海洋生物が見られるのであろう。
アクアスを横目に早めのペースで歩き続ける。

橋を近くで見るとさすがの大きさである。だがペースを落とさずに歩き続ける。
しかし、30分ほど歩いた後で、疲れを感じ始めた。
日中からしっかりとお風呂に入ってしまったからかあまり足が言うことを聞かず、「もう少しゆっくり歩いたらどう?」と言っている。
そして景色も楽しまずに黙々と歩き続ける事で、何となく時間に追われている仕事人間になったような気もしてきて、果たしてここで急ぐ必要があるのかと、改めて自分の中で疑問が湧いてくる。
浜辺で電話番号を教えてくれた男性、そして温泉宿を教えてくれた男性の優しさには感謝しかないが、ここでその温泉宿を予約して宿泊するかどうかは自分の判断となり、例え泊まらなくても2人には迷惑をかけないであろうという結論に至った。
そして再び無理のないペースで歩く事とした。

サラッサラの砂が波打ち際まで続いている。こんな天気の良い日は、浜辺で波を聞きながらのんびりするのも良いのではないか。と思ったが、また体力には余裕があるので歩く事とした。

道のすぐ横を、山羊さんたちがのんびり過ごしている光景。なんとも微笑ましいものである。

てくてくと、板の上を歩いて渡って行くのもまた可愛い。

無人駅があったので、無断ではあるが勝手に入って線路の写真を撮らせてもらう。
特に親しみのある光景ではないが、なぜかノスタルジーな気分となる。
昔見た映画やドラマのワンシーンの影響などであろうか。
この場で2~3分程じっとして、そのノスタルジーな感傷に浸っていた。

屋根瓦の家紋のようなものが並べられた塀。おしゃれである。

これは、○ッシーなのでは。このキャラクターを使っても問題はないのであろうか。
そして薄くなっていてよく見えないが、この○ッシーの上にいるキャラが、「ちいさなぼく」なのであろうか。と言う事はもしかすると、○リオなのではなかろうか。
確かにこの薄さ&小ささであると、かなりスピードを落として近づかないと見ることができない。
運転手がこの看板を気にするのであれば、意外に車の減速効果は高いのかもしれない。

そうしてしばらく歩き続け、待ってましたみんな大好きゆめタウン!
こちらで食事休憩をとることとした。

自転車利用者への配慮がすごい。

イートインにて購入したものを食べる。
こうしてイートインスペースがあるスーパーは、自分のような旅行者には本当にありがたい。今日は天気の良い日であるが、雨の日などは本当に助かる。
イートインを置いている様々なスーパー、そしてイートインコーナーを清潔に維持して下さる従業員の皆様、本当にありがとうございます。

今日のメニューは、がんもと湯葉と納豆と言う大豆づくしである。
「無限」というこの納豆は何と塩で食べる納豆であり、食べてみるとびっくり。
これは本当に美味しい納豆である。豆自体も大変美味であり、また塩で食べると風味がより強く感じられ、これは絶品である。ご飯の後でまたスーパーに寄り、3パック入りをもう一つ購入してしまった。
がんもも、旨味にあふれた美味しいものであり、自分の中では上位に入るものであった。
湯葉もまた、豆乳の美味しいところだけを掬い上げました、と言った濃い味の美味しいもので満足であった。

興味深い商品を売っていた。
ドラマ「VIVANT」は、日本のドラマでありながら大変スケールの大きいもので、脚本も視聴者を釘付けにするものだと感じ、近年自分が見たドラマでは抜群に面白いものであった。
ドラマに出てきた赤飯も、確かに美味しそうなものであった。

そうして腹ごしらえを終え再び歩いていると、かなり歴史のありそうな和菓子屋さんがあった。
自分はお菓子はほとんど食べないのであるが、なんとなく寄ってみたくなりふらりとお店に入る。
お餅系のお菓子などが色々と並べられており、しかもどれも価格が全然高くなく驚いた。
原材料が高騰している現代で、安価な商品を提供している企業努力には恐れ入る。
さすが長くやって来られているのであろう、女性店員の対応もとても丁寧なもので、気持ちよく買い物をさせていただいた。

こちらの桜餅とよもぎの柏餅(?)を購入。どちらも美味しそうだ。

レトロな感じの橋を横目に、先ほど購入した餅をもぐもぐしながら歩いて行く。
はしたないと思われるかもしれない歩き食い。
だが良い景色を見ながらおいしいものもぐもぐすると、不思議とこれまた景色が一段良いものに見えてくる。美味しいもので脳の幸せ系回路が刺激され、それが目に見えているものの印象を強めるのであろうか。

そのまま長い橋を歩いていく。少し歩くと向こうから自転車に乗った中学生ぐらいの男の子がやって来た。
毎日通る人からすれば、これはただの長いだけの橋かもしれないが、左手には海、向こうには山、なんとも素晴らしい景色ではないか。

原因が何か分からないが、山の一部がハゲていた。こういった状態が、土砂崩れなどを起こし易くしてしまうのであろう。

日も暮れ始めてきた。向こうには鉄道用のトンネルが見える。

歩く部分が少し狭めなトンネル。時折通る車に注意しながら進んでゆく。

何かが流れ出している。
歩道の狭いトンネルにて車が自分の横を通る際には、自分は身体の側面を壁につけるくらい寄るのだが、その際にこういったものがないかどうかをきちんと確認しなければ大変な事になってしまう。

その後少し歩くと景色の良いところに出た。見ると海岸近くまで下れそうな道もある。
ここで景色を見ながら少し考える。このまま東に向けて道路を歩いて行くと次の町まではもう少しかかりそうなので、今日はこの辺りでテントを張ることに決めた。
でこぼこが少なく、出来るだけ傾斜のない面を探してテントを張る。

朝晩はまだ寒いので、長袖を着込み、百均で買ったアルミのシートを寝袋の上から体に巻いて横になる。
荷物の軽量化の為、かなり軽くて小さくなる寝袋を使っており、このアルミシートがあるだけで相当保温性が高まる。
難点としては、朝起きた時に寝てる間の汗がアルミシートの内側につき寝袋が濡れてしまうことであるが、寒くて寝れないよりはマシなので仕方がない。

そうして横になっているうちに、眠りに就いてしまった。

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